
今回は、森博嗣さんのファンタジー色強めの近未来SFミステリー小説『百年シリーズ』三部作、『女王の百年密室』、『迷宮百年の睡魔』『赤目姫の潮解』の紹介です。哲学的で壮大な物語です。
森博嗣とは?
森博嗣
愛知県出身。1957年〜。工学博士、小説家、随筆家、同人作家。
第1回メフィスト賞受賞。
『百年シリーズ』について
森博嗣さんの作品って、他のシリーズと何気にリンクしているので、登場人物のバックグラウンドなど詳しく知りたい方は、予備知識として『S&Mシリーズ』と『四季シリーズ』を読んでおくと良いと思います。
また、『百年シリーズ』に関わる他のシリーズを全部読んでみたい方は、『S&Mシリーズ』➔『四季シリーズ』➔『百年シリーズ』➔『Wシリーズ』➔『WWシリーズ』と読み進めるのがベストかなと思う。
もう一つ。『百年シリーズ』は、マンガ版だけでも十分楽しめるけれど、少しばかりカットされているシーンがあるんですよね。なのでマンガ版を読むなら、先に小説を読んでおいた方がより楽しめるんじゃないでしょうか。
女王の百年密室
書籍情報
〈三部作の第1弾〉
書籍名:女王の百年密室
著 者:森博嗣
発行年:2000年、文庫版は新潮文庫から2004年、講談社文庫から2017年
ジャンル:日本文学・SFミステリー・ファンタジー
\✨️コミックス版✨️/
書籍名:女王の百年密室
原 作:森博嗣、作画:スズキユカ
- 価格: 586 円
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読書難易度
特に難しくはないです。
あらすじ
旅の途中で小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したサエバ・ミチルと、同行していた旧式のウォーカロン(ウォーク・アローン、自立型のヒューマノイド)のロイディは、森の中で孤絶した城砦都市ルナティック・シティに辿り着き、事件に巻き込まれていく。
感想
『百年シリーズ』三部作の第1弾ですね。
ミチルとロイディが辿り着いた先は、白い宮殿に住む美しい女王デボウ・スホに統治され、死というものがない楽園のような都市だったわけですが…
楽園都市の祝祭の夜に若い王子が殺されてしまうんですね。その殺人事件をきっかけにして、完璧だったはずの都市に隠された秘密と、ミチルの過去が絡んでいくんですよ。
ある意味インパクトがあったというか…、なんというか…、別に悪い意味ではないんだけど、普通にミステリーだと思って読んだので、「…え?!森博嗣さん、それでいいの?」って感じだった(まぁ、読んでみて😆)。面白かったけどね。
迷宮百年の睡魔
書籍情報
〈三部作の第2弾〉
書籍名:迷宮百年の睡魔
著 者:森博嗣
発行年:2003年、文庫版は幻冬舎ノベルズから2004年、新潮文庫から2005年
ジャンル:海日本文学・SFミステリー・ファンタジー
\✨️コミックス版✨️/
書籍名:迷宮百年の睡魔
原 作:森博嗣、作画:スズキユカ
- 価格: 586 円
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読書難易度
前回よりもちょっとだけ難解…、かなぁ。とはいえ、こちらも難読ではないです。
あらすじ
ミチルとウォーカロンの相棒ロイディは取材許可を得て伝説の島を訪問する。島の統治者・メグツシュカ女王は、なんと前作で会ったデボウ・スホに生き写しだった。
その島の王宮で首のない僧侶の遺体が発見され、ミチルとロイディはまたもやトラブルに巻き込まれていく。
感想
『百年シリーズ』三部作の第2弾ですね。
物語の舞台は、周囲の森が一夜にして海と化したという伝説を持つ、閉ざされた迷宮の島イル・サン・ジャック。
ひょっとしたら、フランス西海岸のサン・マロ湾に浮かぶ小島の、モン・サン=ミッシェル修道院がモデルじゃないでしょうか。

ミステリー要素は前作よりも控えめになり、殺人事件のトリックも重要視していない感じ。その一方でもっと哲学寄りになったと思う。
物語を通して「生とは何か?」とか、「人間とは何か?」とか問いかけているんじゃないですかね。
前作では融通のきかないロイディだったが、本作ではけっこう人間臭いキャラになっていた。ロイディとっても可愛い💠
赤目姫の潮解
書籍情報
〈三部作の第3弾〉
書籍名:赤目姫の潮解
著 者:森博嗣
発行年:2013年
ジャンル:日本文学・SFミステリー・ファンタジー
\✨️コミックス版✨️/
書籍名:赤目姫の潮解
原 作:森博嗣、作画:スズキユカ
- 価格: 913 円
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読書難易度
これだけは、読書難易度が高め。
あらすじ
私・篠柴と友人で小説家の鮭川、そして喋ることができない赤目姫は、小舟で湖を渡り赤目姫の伯父・摩多井の屋敷へ向かう。
次第に視点と意識が混ざり、時空を行き交い、幻想的な世界へと変容していく。
感想
『百年シリーズ』三部作の第3弾。シリーズ最終作ですね。
今回はミチルが出てこない。ウォーカロンのロイディも出てこない。ロイディという名の犬なら出てくる。
潮解していく人間、人形、自分、犬、駱駝、現在、過去、未来…、意識の境が曖昧になり、時空の概念が揺らいでゆく。
こりゃ面白い作品だー👍
\👑私の好きな小説ベスト10·👑/にランクイン決定!
夢野久作さんの『ドグラ・マグラ』に、フィリップ・K・ディックさんの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と、荘子さんの『胡蝶の夢』または『雨月物語~夢応の鯉魚(元ネタは中国の薛録事魚服証仙、魚服記、薛偉化魚)』をミックスした感じでしたね。
きっと森さんは、脳と肉体の分離について考えていたのでしょう。なかなか哲学的で、「私とは?」「意識とは?」「現実とは?」とか問いかけられているような気持ちになる物語でしたよ。
あと、おそらく前作と前々作を読んだ方なら、このシリーズ第3弾には物語と登場人物以外にも、どことなく違和感を感じたことでしょう。でも実はちゃんと第1弾、第2弾と繋がっている。
ミチルは物語の中では直接は登場していないが、ある意味ずっといる…、かもね😊
『百年シリーズ』の主人公は、ずっとミチルのまま進行している…、かもね😊そして
人形遊びをしているのは実は…
前作、前々作って実は…
時系列って実は…
「ほぉー、なるほどね」って色々思うことがあったんだけど、森さんの他のシリーズはまだ読破していないので、何か早合点している可能性もあるし、深読みや解釈を書くのはやめておこう。
この『赤目姫の潮解』だけは、ぜひ頭のネジをユルユルにして読んで欲しい。
あとがき
今回は、森博嗣さんの幻想的なSFミステリー小説『百年シリーズ』三部作の感想でした。
理数系らしい簡潔さと詩的な表現が混在した独特の文体。素敵✨️でした。
それに幻想的な世界観と、物語の中に流れている雰囲気が本当に素晴らしい。内容は哲学的で、生と死の本質に迫る問いかけがあって、謎と秘密に満ちて、深くて壮大でした。
個人的には、『赤目姫の潮解』が一番難解で、一番興味深くて、一番面白い作品でした。
読者を大人のおとぎ話の世界に連れて行ってくれますよ。もしよかったら読んでみてくださいませ。
なお、読シリーズものですが、どれか一冊だけでも十分楽しめますよ。
では、またね😊
貴方が素敵な本に出逢えますように。
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